インドをふらついているとバックパッカーでなくとも思わぬ病気にかかることがある。下痢をして苦しむなどは日常茶飯事であるが、その中でも日本では滅多にお目にかかることがない感染症などがうようよしている。私もしっかりとその洗礼を受けている。

ガンジス川で沐浴

母なるガンガーで沐浴すれば現世での罪が洗い流されると聞いて、一度はしてみたいと思っていた。そこで友人と2人で水浸しになっても寒くない陽の高い時間帯を狙って沐浴にチャレンジした。

ガートを降りていくと苔やら何やらでぬるぬるとするし、シャリっとした貝を踏み潰したような不思議な感覚もある。このシャリシャリは……いやいや、深く考えちゃダメだ、沐浴に集中するのだと足を進める私たち。しかし、途中でぬるぬるに足を取られていきなり川の中へダイブしてしまった。ちなみに私はまともに泳げない。

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「ここで焦ってはいけない、焦ったら溺れて死ぬ、全身の力を抜けば身体はきちんと浮き上がるはずだ、だから慌てずに浮くんだ!!」
自分に強く暗示をかけ、何とか浮き上がって必死にバタ足をすると、気がついたインド人男性が手をひっぱって助けてくれた。

良かった、無事だ、水はがぶ飲みしたけれど

助けてくれた男性に不注意をとがめられつつ、お礼を言って宿へ戻って、念のために持参していた抗生剤を飲んだ。ガンガーの水の威力はすごいと聞いていたからだ。しかし注意したのもその日だけ、翌日からはへらへらと過ごしていた。

Dysentery

2、3日すると下痢が始まった。何かあたるようなもの食べたっけな?とのん気に考えて、街のドラッグショップで症状を伝えて抗生剤を買って数日飲んでいると症状がやわらいだ。抗生剤は漫然と飲むといざという時に効かなくなるからもう飲むのをやめようっと、と自己判断で服薬をストップした。

それから1週間ほどしてデリーで再度下痢に襲われた。それもハンパではない消耗をする。食事もほぼ喉を通らないため、1日かけて必死にバナナを食べ、インド版のORS(経口保水液)を飲んでなんとかしのいだものの、ベッドとトイレの往復しかできなくなり、心なしか微熱も出てきた。

そうやって往復を繰り返しているうちに、汚い話で申し訳ないが、自分から出たものを見ると赤い。これは噂に聞いた赤痢の症状にそっくりではないか、と思い、翌日インド人の知人に伴われて病院へ行くと案の定「dysentery」(赤痢)と高らかに宣言されてしまった。

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薬を処方され、完全に赤痢菌を殺すために5日間必ず飲み続けること、と念押しされた。薬はびっくりするほどよく効いて、翌日には下痢が治まったがドクターに言われた通り、最後まで薬は飲んだ。ただし、薬を飲みながらそのまま日本へしれっと帰国してきたのだが。

結論。ガンガーの水をなめてはいけない。そして自己判断で薬を中断するのはやめよう。

(次回へ続く)

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madokajee

旅と音楽と本が好き。別名義でWebライターとして活動中。
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