イントロが流れると、切ない気分が押し寄せてくる。そんな名曲を集めてみた。人それぞれ好みはあるだろう。日本の曲にしぼった。さらに、男性ボーカリストの歌だけに狭めた。何度、聴いても身体が震えてくる名曲の邦楽編だ。並べてみると何かしらの共通点が見えてくる。

山崎まさよし「One more time,One more chance」



1997年発売のシングル曲。映画『月とキャベツ』の主題歌だった。本人は主役。TVドラマでも主役やっていたよね。2007年、新海誠監督の『秒速5センチメートル』でも主題歌としてつかわれた。主題歌というよりはアニメがMVのようだった。暗いアニメ映画と言われる『秒速5センチメートル』だけど、漫画版を読むと少し心が救われる。

RADWIMPS「me me she」



2006年、アルバム『RADWIMPS 4〜おかずのごはん〜』に収録されている。先行シングルとして発表された「有心論」の1トラック前の曲だ。言葉とメロディが絶妙に組み合わさっている。メジャー1枚目のシングル「25コ目の染色体」も捨てがたい。まさか、RADWIMPSがここまで売れるとは想像もできなかった頃の話。

SUPER BUTTER DOG「サヨナラCOLOR」



2005年、SUPER BUTTER DOG、最後のシングル曲になった。未だに色褪せない曲だ。これからも歌い継がれていくのだろう。楽曲としては、アレンジも含めて、とてもシンプルな構成なんだよね。やるせない切なさ度なら、永積タカシのソロ名義になった1st『音タイム』にも収録されているシングル「家族の風景」のほうが上かも。

plenty「人との距離のはかりかた」



2011年の初めに発売された1st EPから。2009年、ミニアルバム『拝啓。皆さま』を聴いたときは、いつか化けるバンドだと感じた。2011年に発表した2nd EPを聴いたときも期待は広がった。え?なんで売れてるの?これ?と思うようなバンドより、演奏は安定している。曲も個性がある。リスナーが癖になる要素も多く含んでいる。もっともっと深化しくことに期待。

フジファブリック「赤黄色の金木犀」



2009年12月24日。志村正彦が天国へ逝ってしまった日だ。もし、や、たられば、を書くのはやめておく。辛くなる。「赤黄色の金木犀」は2004年のシングル曲だ。季節がズレているかもしれない。今年も12月24日には鐘ではなく、チャイムを鳴らそう、心のなかでね。
夕方5時のチャイムが 今日はなんだか胸に響いて
フジファブリック「若者のすべて」より


共通するのは、どの曲も彼らしか歌えない点だ。誰かがカバーしたとしても別の空気になってしまう。薄いカバーガラスみたいに儚く、音を立てずに消え去ってしまいそうな歌たちだ。歌が生きている。切ないのは曲だけではない。歌詞とメロディ、それに歌声が不安定なバランスで聴く人の心を震わせる。そんな曲は他にも多くある。残して欲しい。未来へ。そう、願っている。


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yosh.ash

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