バックパッカーとして訪れたインド。初めてのツアー旅行で魅せられたヴァラナシへ再度チャレンジしに、寝台列車に乗って一晩かけて向かう。インドの寝台列車はこれまたカオス。一度は乗ってみる価値あり!そんな列車移動について書いてみようと思う。
 
私の席はどこ?

インドの寝台列車は上から1A、2A、3A、SLとクラスが分かれている。Aとついているのはエアコンつき車両。SLにはついていない。一般的にバックパッカーは極力安い席を選ぶのだが、30歳を超えてバックパッカーデビューした私の信条は「我慢大会ではないので無理しない」である。よって2Aか3Aでの移動がほとんど。もちろん車両の等級ごとにあからさまに客層は変わる。

乗車する車両の入口に名簿が張り出され(英語とヒンディー語)、そこから自分の名前を見つけ出し、自分の席を探し当てる。重いバックパックを背負って席に着いてみるとSLあたりでは自分の席にしれっと関係ない人が座っていることもよくある。その場合は大声で「ここは私の席!」とはっきり主張する。すると周りの人もなんだなんだと寄ってきて「そうだ、ここはおまえの席だ!」と加勢してくれたりする。

ジャパニ、靴は盗まれる可能性があるぞ

2Aは二段寝台、3Aは三段寝台であるが、3Aでも運良くコンパートメントになっていない席になると二段寝台になる。3Aで二段の席になった時は良かった。女性は色々な観点から上の段をオススメするのだが、下の段のおっちゃんがめちゃくちゃいい人で、チャイは奢ってくれる、サモサなどのスナック類もおごってくれるで、持参したビスケットの出番はなかった。

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             CC0 Public Domain by pixabay

おっちゃんは徹頭徹尾世話焼きで、眠る時にベッドの上段へ上がると「ジャパニ、良い靴は盗まれることがあるから、ここに隠しておくぞ、わかったな」「ヴァラナシに到着予定は○時頃だ、心配するな、ちゃんと起こしてやる」と甲斐甲斐しい。お礼を言って、手持ちの時計のアラームも忘れずにかけて、列車の揺れに身を任せて眠る。寝心地はそう悪くない。
  
ジャパニ、起きろ、ヴァラナシだ

○時近くなってなんとなく目を覚ますと、下のおっちゃんが起き出し、私のベッドをバンバンと叩いて「ジャパニ、起きろ、もうすぐヴァラナシだ、準備しておけ」と声をかけてくれる。本当に私を起こすためだけに起きてくれたのだ。私が「起きている、ありがとう」と答えると靴も出してくれた。

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              写真提供:鈴木千晶

インド人のおっちゃんの優しさに感動しつつ、まだ眠たい目をこすりながら列車を降りてヴァラナシ駅で降り、駅構内に入ると大量の列車待ちの人々がいる。うおおお、やる気が出てきた!ここからリキシャーワーラー(リキシャーの運転手)と金額交渉で戦うのだ。ま、負けないんだからね、と決意を新たにして駅の外へ出る。

(次回へ続く) 

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madokajee

旅と音楽と本が好き。別名義でWebライターとして活動中。
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