暗い。

これもまた、一般的なヴィジュアル系のイメージのひとつではないでしょうか。黒系の衣装を身に纏っていて、陰鬱な内容の曲が多い。

 

前回の記事で紹介したLUNA SEAも、初期は黒系のファッションで固めていたし、1996年末に活動休止するまでの楽曲、特にカップリング曲には陰鬱なものも多いです。

 

初のベストアルバムとなった『SINGLES』はそのタイトルどおり、それまでのシングル収録曲を集めたものです。2枚組で、1枚めはいわゆるA面曲、2枚めはカップリング曲という構成。

SINGLES
LUNA SEA
MCAビクター
1997-12-17


曲名がファンクラブの名称でもある『SLAVE』のみは唯一テンポも小気味良い疾走ナンバーですが、ほかの6曲はいずれもミドルテンポで、雰囲気も暗め。特に1曲めの『Claustrophobia』は世の無常を問うような趣ですし、『FALLOUT』は消え去りたくなるような虚無感に溢れています。

前回の記事で書いたとおり、プチ引きこもりだった時期に、この2枚めばかりを聴いていました。

布団の中で。

まだ、ヴィジュアル系とも認識していませんでしたね。とにかく、なんだこの陰鬱な音楽は?という、それだけでした。肌寒い時節にもよく合いましたねえ。


などと、そんな風情に浸っている場合ではなく、中学3年生になり、もうそろそろ現実を見ないといけなくなりました。登校拒否をこじらせて市役所の施設のお世話になっていた自分でしたが、テストの日にだけ登校して、校長室の隣にある会議室で試験を受けるという数か月。その間ずっと養護学級の子と一緒に受けていたのですが、一緒にふざけて校長室に潜入したりしているうちになんだか彼と仲良くなって、いつの間にやら週に数回は登校するようになり、むしろ段々と施設からは遠ざかるようになりました。
 

でも、志望校は、あえて隣の市の高校にしました。小学生の頃からずっと同じ地元で同じような顔ぶれで育ってしまい、周囲に引っ込み思案な自分の印象が既に付いていることが辛くて、そこを一度ぶっ壊して、人間関係を白紙からやり直したかったのです。要するに高校デビューをしてウエーイ系な学生生活を送りたかったのです(まあ1ミリも達成できませんでしたがね)。

 

時は2000年の暮れ。この時期、様々な音楽グループが解散や活動休止を発表しました。JUDY AND MARYやTHE YELLOW MONKEYなどが代表的ですが、LUNA SEAも「終幕」を発表しました。もともとはB'zしか知らなかった自分に、初めてヴィジュアル系の世界を見せてくれたバンド。解散とは言わず、いちいち「終幕」なんて言葉を使う独特すぎる美学すらもカッコ良かった。


 

自分がライブ会場でLUNA SEAを観ることができたのは、それから10年後のことです。その頃にはもう20代半ばになっていたし、ヴィジュアル系好きの友達もできたし、引きこもりではなくなった。クリスマスイヴに1人で東京ドームに行ったのですが、キモイことを承知で書けば・・・・・、「あの時の自分」と一緒に観ている感覚でした。

他にも、筋肉少女帯、X JAPAN、黒夢、SIAM SHADE・・・・・。次々に再結成しました。「あの時の自分」を引き連れて、それぞれのライブに行きました。消えないんですよねえ、「あの時の自分」。今もいますよ。今でもこれを書いている俺の横で寝てるんだぜ。まったくもう。もはや呪縛なんだよ、ヴィジュアル系って。卒業なんてできませんわ。あ、イエモンはヴィジュアル系じゃないけど(お化粧系ではある)、ヴィジュアル系専門誌の「SHOXX」に載ったことはあります。




この記事を書いた人

henkou_ver

プラーナ

サブカル中二病系。大人のお子様。


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